ユダヤ教の一分派だったキリスト教を世界最大の宗教にしたのはキリスト教徒を迫害していた元ユダヤ教の伝道者だった

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ローマの聖パウロ像
世界的な宗教になったのはこの人のおかげ(写真:rarrarorro/PIXTA)
キリスト教が世界的な宗教にまでなったのは、ある1人の人物の存在があった。その人物とは、ユダヤ教の熱心な信者であったパウロ。彼は当時ユダヤ教の中にある一教団と考えられていたキリスト教の信者たちを、迫害していた人物だった。しかし、ある日、復活したイエスと街の中で出会ったことでキリスト教に回心する。
全世界で300万部の大ベストセラーとなった『全人類の教養大全』シリーズ著者のチェ・ソンホ氏は、パウロの功績をユダヤ教の一分派から抜け出してキリスト教を体系化したこと、地球を半周以上する伝道旅行を行った情熱にあると解説する。謎多き人物であるパウロの生涯を追う。

宗教としてのキリスト教を確立した人物

パウロは初期キリスト教神学の体系を確立し、現在のキリスト教の基盤をつくった中心人物だ。

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イエス・キリストの死後しばらくは、ユダヤ教とキリスト教はきっちり分かれていなかった。イエスの教えに従っていた人たちは、独立した宗教を信じているというアイデンティティがあるわけでもなく、イエスに対しても、単にユダヤ教の伝統の中で生まれた重要人物の1人くらいに考えていた。

しかし、パウロはちがった。彼は『旧約』をもとに、イエスがどうしてキリスト、つまりメシアなのかを説明し、これを土台にしてユダヤ教とは異なる、キリスト教だけのアイデンティティを確立した。

また、ローマからギリシア、小アジア(アナトリア半島。現在のトルコに位置する)まで広い地域に何度も宣教の旅に出かけ、ユダヤ人にもキリストの福音を伝えた。

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