「すぐに辞めてしまう日本人学生より頼りになる」「彼らがいないと回らない」 《外国人留学生》を不法就労でも雇いたい、日本企業の"切実な事情"
あっせん業者側の事情もある。
「特定技能より留学生の送り出しのほうが、手続きが簡単で認可も得やすい。だから、問題のある業者ほど留学生ルートを勧める傾向があります」
もっとも、こうした状況も今後は変わる可能性があるという。ネパール政府が、実態と乖離した留学生の送り出しに対し、新たなガイドラインを設ける見通しだからだ。
「今後、日本で働きたい若者は、正攻法で特定技能を取得して来日する流れになるでしょう」
政府「2033年までに留学生40万人の受け入れ」を目標
以上のように留学生の中には、法を逸脱して働く人が一定数存在する。政府が留学生アルバイトの許可審査を厳格化しようとしているのは、こうした実態をふまえた対応だ。
法を守らない行為を放置することはできない。規制強化自体は、一定程度やむをえない措置だろう。
しかし、学費や生活費を自力でまかなえない若者を大量に受け入れておきながら、働くことだけを厳しく制限すれば、制度に無理が生じるのは避けられない。規制強化は不法就労の抑止につながる反面、留学生の減少や人手不足のさらなる深刻化を招く可能性もある。まさに両刃の剣だ。
日本はこれまで、「留学生30万人計画」のもとで留学生の受け入れを量的に拡大してきた。現在も、33年までに留学生40万人の受け入れを目標に掲げている。
今後は留学生を純粋に「学生」として受け入れたいのか。それとも、引き続き「労働力」としての役割も期待するのか。留学生制度のあり方そのものが、今あらためて問われている。
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