--経営者としての先代から最も学んだことは何でしょうか。
父としてはともかく、経営者としての腹のくくり方や思い切りのよさはやはりすごかったと思います。私自身は、先代からあまり口で指導や教育を受けたことはありません。叱責しか受けたことがないですね(笑)。
唯一、言われて心に残っているのが、「在庫を持たない、腐敗するものを扱わない、流行を追わない。どんな商売をするにしてもこれだけは守れ」ということ。流行に関しては本人の経験もあったのでしょう。
1991年に道路交通法と車庫法が改正になり、自走多段式プレハブ駐車場がすごく売れるようになりました。パーク24でも売るべきだという議論があったようですが、先代は「こんなのは一過性のブームだからやめろ」と。本当に流行は1年で終わりました。
駐車場のビジネスは、実はこの3つをきっちり守っているのです。
--2代目はとかく、世間から言われます。成功すれば創業者のおかげ、失敗すれば創業者に比べて、と。2代目のメリットとデメリットは何でしょうか。
実際働き始めると、身内なので他の役員と比べてモノが言いやすいというのもあるでしょうが、事あるごとに先代に呼ばれていろいろな話を聞かされました。さまざまな難題も突き付けられましたが、自然とそれがロールプレイングになっていたりもしました。いちばん身近で経営者を見ることができるという意味では子どものメリットがあります。
私は気にしませんのでデメリットと言えるかはわかりませんが、やはり絶対に社員から好意的には受け入れられません。特に同世代~5歳くらい上の人は、絶対に「俺のほうが能力が高いのに」という目で見てきます。当然でしょう。そういうことに気疲れする人は2代目の立場に向いてないでしょうね。