「キラキラ都会暮らしをしたい!」→「23区だけど畑だらけ」 地方出身20代女性が新婚生活に選んだ"東京の田舎"な街の実態

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部屋に不満があったわけではないし、大泉学園に不満があったわけでもない。むしろ、部屋も街も大好きだった。ただ、あの頃の私たちは、大きく環境を変えることを必要としていたのだ。

その後、一瞬だけ石神井公園に住んでみたけど、なんとなくで決めた部屋はなんとなく住み心地が悪かった。もともと憧れていた街のはずなのに、部屋の住み心地が悪いと、不思議と街まで色褪せてしまうように感じた。

大泉学園は多くの人にとって「しっくりくる街」

その後、縁あって隣県に引っ越し、今も住んでいる。その間に生まれた娘はもうすぐ7歳を迎える。

久しぶりに大泉学園を歩いて感じたのは、この「都会の狭さ」が、当時の私は好きだったということだ。

大泉学園
当時は途方もなく感じた某都市計画道路。8年後の今、思ったより形になってきていて驚いた(筆者撮影)

田舎は人や建物との距離が物理的に離れていて、風景自体がどこまでも寂しい。夕方になると誰も外を歩かないし、駅前の商店街すら閑散としてくる。上京して都心で働くようになって大泉の駅まで帰ってくると、帰路に就く多くの人で駅も店も住宅地もにぎわっていた。

家々は身を寄せ合うようにして建っていて、それぞれの明かりのもとで晩ごはんタイムが繰り広げられているのかなと想像すると微笑ましかった。その「距離」は、上京したての私に安心感を与えてくれていた。それは、東京に慣れた今の私には、感じにくくなった気持ちだろう。

人生には様々なフェーズがあって、その時どきによって「しっくりくる街」は違うのかもしれない。そして、都会っぽさと郊外っぽさが同居するこの街は、きっと多くの人にとって「しっくりくる街」なのだろう。

そんなことを考えていると、子どものお迎え時間を含めたリミットまであと少し。夫婦ふたりで過ごした街を背に、家族で暮らす今の場所へと大急ぎで向かった。

【本連載の人気記事】「若いうちは東京で働くのもアリか…」→「この街を離れたくない」 就活失敗で失意の上京、23歳彼女が選んだ「ゆとりのある街」で起きた"大変化"
宇乃 さや香 フリーライター

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うの さやか / Sayaka Uno

1982年北陸生まれ。大学卒業後、分譲マンション管理会社、フリーペーパー出版社、認知症対応型グループホームでの勤務を経験。妊娠・出産を経てフリーライターとして独立。生き方や価値観のアップデート、軽やかに生きるヒントを模索し、取材を続ける。

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