「キラキラ都会暮らしをしたい!」→「23区だけど畑だらけ」 地方出身20代女性が新婚生活に選んだ"東京の田舎"な街の実態

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まずはふたりで住む新居を探そう。夫の通勤1時間圏内で探すと、西武池袋線沿線が候補に浮かび上がった。

「石神井公園、良くない?」

池袋から15分程度、急行も止まる「石神井公園」駅は、その名の通り美しい公園を中心とした高級住宅街だ。おいしいお蕎麦屋さんやパン屋(ブーランジェリーというべきか)、ケーキ屋(パティスリーというべきか)の激戦区。その上品な街で新婚生活を始めたい。さっそく物件を探すことにした。

しかし、条件に合う物件がない。希望の間取りや広さに対して家賃が高すぎるのだ。条件を下げて現地も一応見たがピンとこない。どうしたもんかと頭を抱えていると、不動産会社の担当のお姉さんが「私のイチオシの物件が空いたので見てみます? ただ、隣駅の物件で、駅からもちょっと遠いんですけど」と提案してくれた。

石神井公園の隣は「大泉学園」駅。その物件は駅から徒歩18分のところにあり、2LDKで家賃は予算の範囲内だった。

大泉学園
大泉学園駅の駅前(筆者撮影)

「でも、石神井公園がいいな……」

「しかも、徒歩18分だって……」

渋い表情で、そんなことを伝え合う私たち夫婦。歩くことにも慣れた今となっては「徒歩18分」なんて完全に許容範囲内の数字だが、私は車社会出身。当時は「徒歩10分以内がいいなあ」などと夢見ていたのだ。しかし、親切なお姉さんからの提案を断るのも気が引ける。「じゃあ、見るだけでも」と現地へ向かった。

青空、野菜畑が見える部屋に心惹かれた

そこは鉄筋コンクリート2階建てマンションの2階、南東向きの角部屋だった。物件に足を踏み入れると、玄関の脇の窓から入る光が空間を明るく包んでいた。廊下を通ってリビングに入るとすぐ、窓の外の景色が見えた。晴れた空の下、一面に広がる鮮やかな野菜畑が視界に飛び込んできた。

「……ここにしよう」

即決した。一目惚れだった。

大泉学園
そこかしこに畑がある大泉学園。都会っぽさと、郊外っぽさが同居した街だ(筆者撮影)
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