25年の《秋ドラマ視聴率トップ10》が示す「潮流の変化」 脚本家は新鋭が頭角を現す一方、ベテランが苦戦も…

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大御所脚本家・岡田惠和氏のオリジナル脚本『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)も苦戦した。視聴率推移は、前述の『もしがく』とほぼ同じ。3%台をキープしたものの、やはりTOP10圏外になる。

本作は、子どもが二十歳になったら離婚すると約束した夫婦が、それぞれの思いを抱えながら、多様な人々と触れ合う何気ない日常を丁寧に描くホームコメディ。じんわりと心が温まる良作だが、今の視聴者のニーズとは合わなかったようだ。

中堅から若手の躍進が目立った

今期は、三谷氏や岡田氏という数々の実績を持つベテラン勢が苦戦を強いられた一方、名作『桐島、部活やめるってよ』を手がけた『ザ・ロイヤルファミリー』の喜安浩平氏や、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の安藤氏、『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)でオリジナル脚本を手がけたガクカワサキ氏など、中堅から若手の躍進が目立った。

ドラマの内容を見ても、彼らの脚本には、従来のドラマ・フォーマットやテンプレートに当てはまらないストーリーの流れがあり、それが視聴者にとっての意外性や想定外の展開となり、新規性のあるおもしろさにつながった。

ドラマのトレンドやヒット傾向はそのときどきで変わるが、今は王道やありきたりなコテコテの展開がウケない時代にあるようだ。それは、従来の作り方にとらわれない若手が出てきやすい時代でもあり、ベテランにとっては、これまでの知見やスキル、ネットワークを生かしつつ、新しい手法に取り組まなければならないときが訪れている。

これまでと潮目が変わった。であれば、これからはもっともっとおもしろいドラマが増えていくに違いない。今年は映画の話題がエンターテインメントの中心になっていたが、来年はドラマの年になるかもしれない。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Yasuyuki Takei

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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