25年の《秋ドラマ視聴率トップ10》が示す「潮流の変化」 脚本家は新鋭が頭角を現す一方、ベテランが苦戦も…

競馬ファンも巻き込む納得の1位
1位の『ザ・ロイヤルファミリー』は、話題性と数字が噛み合った、誰もが納得の順位だろう。今期を代表するドラマのひとつだ。
競馬の世界を舞台にする本作は、ひたすら夢を追い続けた熱き大人たちと競走馬の20年にわたる物語が描かれた。
劇中には、ゲストとして武豊騎手、丸田恭介騎手、菅原隆一騎手、今村聖奈騎手、坂井瑠星騎手、クリストフ・ルメール騎手のほか、矢作芳人調教師や元騎手の勝浦正樹氏、ロケ地の社台ファームの副代表・吉田哲哉氏など競馬ファンにおなじみの関係者が出演。
また、11月30日のJRA(日本中央競馬会)のG1レース「ジャパンカップ」には、騎手役の高杉真宙が表彰式に登場するなど、リアルの競馬と連携しながら、競馬ファンを巻き込んでドラマを盛り上げた。
物語でも、華やかな競馬界の表面だけではなく、中小の生産牧場や育成を担う厩舎が、スタッフの高齢化や後継者問題、人材不足による過酷な労働環境が重なる存続の危機に直面している現実を映した。
もちろんストーリーには、ドラマファンだけでなく競馬ファンも夢中にさせる物語の力があり、佐藤浩市、妻夫木聡、目黒蓮、安藤政信をはじめとする役者陣の熱演が視聴者の心に刺さった。加えて、作品そのものが競馬界に寄り添い、その未来へエールを贈る姿勢があったからこそ、世の中的なブームになったのだろう。
今期唯一の視聴率2桁ドラマになり、日曜劇場ブランドの力をまざまざと見せつける作品になった。


















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