「美味しさにこだわると利益率が下がる」葛藤乗り越え…スープ業界の風雲児「クックピット」、ラーメン店からひっぱりだこの"大躍進"を叶えるまで

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「良いスープを作れば自然と売上が伸びる、というほど甘くはない。むしろ、美味しさにこだわるほど利益率が下がる。この矛盾をどう乗り越えるかが、最初の大きな課題でした」

ラーメンスープ
大きな鍋でぐつぐつと煮るクックピットのスープ。だが、美味しさと利益率の両方を担保するのは至難の業だった(写真:クックピット)

8回ものホームページ刷新で月間UUが爆増

そこで外園さんがまず着手したのは、営業プロセスそのものの効率化だった。限られた人数で全国の飲食店を回るのは現実的ではない。そこで問い合わせの間口を最大化する手段として、ホームページの刷新に取り組んだ。しかも一度ではない。なんと短期間に“8回”ものリニューアルを敢行したのである。

「たとえば『スープ』と書くより『ダシ』と書いたほうが問い合わせが増える。そんな小さな差が大きな反応の違いにつながることを学びました。1ワード、1表現の積み重ねで、サイトの解像度がどんどん上がっていくんです」

SEO的にも、ユーザーの検索意図的にも、ワードの使い方が問い合わせ数を決める。仮説検証を重ねるほど、数字が動く。やがてサイト全体の構造が洗練され、アクセス数は急増していった。

「8月までは月3万UU(ユニークユーザー。一定期間内にサイトを訪れた人数)でしたが、11月には16万UUまで増加しました。PVは100万を超えています。ここは努力の差がそのまま数字に出る領域なので、やりがいがありますね」

ラーメンレシピ検索枠
クックピットのホームページではラーメンのレシピも検索できる(写真:筆者撮影)
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