ホンダのF1は再び栄光を取り戻せるのか? 苦戦を強いられるようになった理由
今年の3月15日、ホンダ本社の1階にあるウエルカムプラザ青山に約200名のファンが集結した。7年ぶりにF1に復帰したホンダを、ホンダが企画したパブリック・ビューイングで応援しようと集まったのである。
しかし、そのファンの期待も虚しく、開幕戦でのホンダの成績は1台がスタート前にパワーユニット(現在のF1はエンジン本体だけでなく、2種類の回生エネルギーシステムによって電気的な動力も有するため、こう呼ばれている)のトラブルでリタイア。もう1台は完走したが、完走車11台中、最下位だった。
F1復帰したものの、厳しいレースが続いた
その後も厳しいレースが続いた。トップのメルセデスAMGから大きく引き離されただけでなく、パワーユニットのトラブルが相次いだのだ。現在のF1はレギュレーション(規則)によって年間に使用できるパワーユニットの基数が制限されている。
今年は4基までとなっていたが、ホンダは7戦目のカナダGPで5基目を投入。今シーズンは全19戦で争われているから、その半分を消化する前に制限基数をすでに超えてしまったわけである(新規参入ということで特例が認められた)。その惨状に、ファンだけでなく、多くのF1関係者も首を傾げている。
1986~1991年にかけてのことだ。ホンダはかつて、6年間でドライバーズ選手権を5度も制し、コンストラクターズ選手権では6年連続でチャンピオンに輝き続けたのだ。圧巻だったのは1988年。その年行われた16戦中、じつに15勝をあげ、シーズンをほぼ完全制覇したのである。このときあげた勝率93.7%という数字はいまだに破られていないF1史上最高勝率となっている。