「1日4時間以上の使用で脳が萎縮」スマホ認知症の最も顕著なサインとは?
そこから逆に、最近の参考書では「いろいろ書いてあるけど、要するにこういうこと」というまとめページや、「ここだけ覚えればOK」という太字・色分け・図解が徹底されるようになりました。これで情報過多な状態から脱すると思いきや、これは逆に、「なぜその情報が大事なのか」を自分で考える機会が奪われています。なぜそれが大事で、どうしてそれを覚えなければならないのか、自分で考える機会が奪われ、情報をそのまま脳に押し込んで、後から振り返った時にはそれを取り出せない……そんな状態が発生してしまっているのです。
スマホ認知症とは、現代の「情報環境病」である
スマホ認知症は、スマホ依存の問題であると同時に、現代の情報環境がもたらす“構造的な病”でもあります。「情報が入りすぎて整理が追いつかず、記憶が定着せずに出力ができなくなってしまう」……。この一連の流れは、子どもたちにとって深刻です。
この時代において本当に重要なのは、やはり「しっかりと自分の頭を使う時間を、意識的に持つこと」だと感じます。スマホ認知症の問題について脳科学の先生にお話をうかがったときも、結論として返ってきたのはとてもシンプルなものでした。「1日のうちで、何も見ずに、自分の頭だけで考える時間をどれだけ確保できるか。それが脳にとって決定的に重要です」という言葉です。
参考書やスマホを開いている時間が、すべて悪いわけではありません。情報にアクセスできること自体は、大きな武器でもあります。ただし、その一方で「何かを見ながらでないと勉強できない」「常に画面がついていないと落ち着かない」という状態に慣れきってしまうと、脳は自分で働く機会を失っていきます。だからこそ、あえてスマホを机から離し、参考書も閉じて、「何も見ないで考える」時間を意識的につくる必要があるのです。


















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