「1日4時間以上の使用で脳が萎縮」スマホ認知症の最も顕著なサインとは?

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同様の見解は、世界的ベストセラー『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著)でも示されています。彼の実験では、スマホを使っているだけで、使っていない人に比べて集中力・記憶力が10〜20%も低下する傾向があるとされています。

さらに驚くべきは、ポケットにスマホが入っているだけで学習効果が下がるという研究結果です。つまり、「触っていなくても、近くにあるだけで脳がそちらに注意を奪われる」状態が生まれてしまうのです。

現代人は、気づかないうちに「情報過多」と「注意力の断片化」に晒されています。その積み重ねが、スマホ認知症と呼ばれる状態へつながっている可能性は十分にあります。とくにスマホとの距離が非常に近い若者、さらに小学生・中学生といった子ども世代への影響は、ますます大きくなっています。

“便利すぎる時代”が引き起こす、思考力の低下

スマホは、ゲームやSNSといった娯楽だけではなく、学習、検索、コミュニケーション、情報収集など、生活のあらゆる領域を1台で完結させる“万能ツール”です。その便利さ自体は否定できません。

しかし、便利さが行きすぎると、人間が持つ本来の能力(記憶する力、考える力、理解する力)が弱体化していくという逆説的な問題が生まれてしまいます。

今やどんな情報も、スマホで検索すれば一瞬で手に入ります。SNSを開けば、誰かがまとめた最新の話題が勝手に流れてきます。AIチャットを使えば、複雑な質問にもすぐ答えが返ってきます。情報の獲得にはもはや「努力が要らない」時代になったのです。しかし、この“努力不要の情報環境”が、私たちの脳を変えてしまっている、ということが指摘されているのです。 

スマホ認知症の典型的な症状は、「出力ができない」という状態です。たとえば、単語帳を見れば「見たことがある」「知っている」と感じるのに、テストでいざ聞かれると答えが出てこない、という「ど忘れ」の経験をしたことがある人は多いでしょう。

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