「しぶとくコンサートをやっていく」美川憲一さん報告「パーキンソン病」とはどんな病気か――主な症状、治療法について医師が解説

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ほかにも、ドーパミンの類似物質や補助物質など、数種類の薬剤が開発されています。これらを脳神経内科の専門医が、それぞれの患者さんに合わせて組み合わせることで、症状の軽減やコントロールができるようになりました。

②手術

薬物治療だけでは症状コントロールが難しい患者さんには、手術が行われることもあります。「脳深部電極刺激療法」というもので、脳内の視床などの部位に微小電極を埋め込んで、外部から適切な電気刺激を与えることで症状を軽減させます。

脳神経外科と放射線科の協力が必要な専門性の高い治療です。

③再生医療

そして期待されているのが、京都大学で治験中のiPS細胞の脳内移植による治療です。従来の治療と異なり、ドーパミンを含む細胞を移植することで神経回路の再生を目指します。

④リハビリテーション

運動症状を主な対象として理学療法、作業療法、言語療法が行われます。

パーキンソン病の歩行障害の改善には、外部からのリズミカルな刺激が有効とされています。視覚からの刺激の代表的なものに、横断歩道の横縞、階段、市松模様などがあり、それらがある場所では、ない場所よりもスムーズに歩けることがあります。聴覚からの刺激としては、ビートのはっきりした音楽が有効なこともあります。

寿命はほかの人と変わらないが…

筆者が医師になった約40年前と比較すると、パーキンソン病の生命予後はかなり改善されています。寿命だけで見ると平均寿命とほぼ同じところまできていますが、「元気に長生きできる」という理想には、まだまだ課題が山積みです。

約200年前にイギリスの医師ジェームズ・パーキンソンにより最初に詳細な臨床的観察がなされたため、その業績を称えパーキンソン病と名づけられました。彼も切望していたこの病気の完全な治癒を目指す試みが続いています。

鷲崎 一成 医師・医学博士・気象予報士

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わしざき かずしげ / Kazushige Washizaki

1959年、東京生まれ、東京大学卒。東大病院、米国NIH、横浜労災病院、順和会山王病院、国際医療福祉大学を経て現在ナビタスクリニック川崎勤務。日本神経学会専門医。

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