「しぶとくコンサートをやっていく」美川憲一さん報告「パーキンソン病」とはどんな病気か――主な症状、治療法について医師が解説
病気と付き合っていくことになりますが、今は薬(抗パーキンソン薬)やリハビリテーション、症状によっては特殊な脳への手術によって、以前より良好な生活を送っている人たちも増えています。
では、パーキンソン病とはどんな病気なのでしょうか。まずは、主要な症状である運動系障害について述べます。
①動作緩慢
患者さんの訴えでは、「(手足の)動きが不自由になってきた」と表現されることが多いようです。パーキンソン病の動作の不自由さの特徴は、動作が「遅くなる」とともに「少なく、小さくなる」ことです。
「遅くなる」行動としては、朝起きてから床から出るまでの動作や、洗顔・歯磨き、食事にかかる時間、着替え、歩行、トイレで用を足す……といったさまざまな動作が次第にゆっくりになっていきます。
一方、「少なく、小さくなる」症状としては、まばたきが減る、顔の表情が乏しくなる(「仮面用顔貌」と言います)、声が弱々しくなる、字が小さくなる(書いているうちにますます小さくなるのが特徴)、歩幅が小さくなる……などの症状がよく見られます。
飲み込みの機能にも影響が出やすく、誤嚥による肺炎はときに命取りとなります。ただし、動きがまったくなくなるということはありません。
ふるえや前のめりの歩き方
②振戦(しんせん)
振戦とはふるえのことです。
手や足や頭部に5Hz(1秒間に5回)程度の周期的なふるえが生じます。なかでも、運動をしていないとき、たとえば座って静かにしているときに、無意識のうちにふるえ始めるという症状が典型的です。
特に手指は、親指と人差し指、中指をこすり合わせる「丸薬まるめ運動」と表現される特徴的な動きが生じます。ふるえている部位、たとえば手指を意識的に動かすと、短時間にふるえが治まるという特徴もあります。
③姿勢調節反射の障害
患者さんが座っているときや立っているときに、特有の前屈姿勢をとります。これは背骨の変形によるものではなく、姿勢をうまく調整することができないためです。背もたれのあるイスに座っていてもまっすぐ座れず、背骨が斜めに傾いていることが多くなります。



















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