酒向:個人差やさまざまな環境要因にもよりますが、障害が出たときに、回復される方と後遺症が大きく残る方がいます。そのどちらの場合でも、最大限よくなるように力を尽くす。これがリハビリテーション医療です。ただ、私一人では何もできません。リハビリにはチームが必要なのです。
窪田:そのチームは、どんなメンバーで構成されるのですか。
一流のチームを育て上げることもリハビリ医の仕事
酒向:まずは理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といったセラピストと呼ばれる、リハビリ訓練を実践する人たちがいます。それから看護師とケアワーカーという、患者さんの生活と病気をサポートする人たちですね。
あとは患者さんのメンタルを支えて、チームを連携させるソーシャルワーカー。この6職種に加えて、さらに栄養科や薬局、検査をしてくれる人たちなども含めた多職種チームを作ります。重要なのが、このチーム全員が一流であり、その総力戦でなければならないということです。
そうでないと、いくら私が「ここまでよくなりますよ」と予測してもそのとおりに結果が出ません。このチームづくりとメンバー育成も私の仕事で、これが結構大変なんです。仕事のうちの半分ぐらいを、この人材育成が占めていると言ってもいいかもしれません。
窪田:そうでしょうね。チームの方が酒向先生の求めるレベルに到達して、「これなら任せられるな」と思えるようになるには、何年ぐらいかかるのですか?
酒向:3年目ぐらいで治療の流れがひと通りわかってきて、5年目ぐらいで自分が戦略を考えられるようになってきて、優秀な方であれば8年目ぐらいで結果を出せるパフォーマーになれると思います。
窪田:いやいや、長い道のりですね。
(構成:鈴木絢子)
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