宿敵ソニー・パナソニックが有機ELで提携、次世代パネル競争の勝算

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もっとも、有機ELの大型パネルについては「量産技術開発は2~3合目に差しかかったところで日本勢が完敗したわけではない」(アイサプライの増田淳三氏)。サムスンやLGが年末に発売するテレビが想定価格75万円以上と超高額なのも量産技術が確立されていないからだ。

となれば、日本勢にも巻き返しのチャンスがないわけではない。

ソニーは07年、低分子の有機材料を高温で気化しパネルに吹き付ける「蒸着方式」で、世界で初めて11型の有機ELテレビを発売した(採算が合わずその後販売中止)。現在は自社の業務用モニター向けに、細々と有機ELパネルを東浦事業所(愛知)で生産している。

サムスンも採用している蒸着方式は、当座の「現実的な量産方法」(テクノ・システム・リサーチの林秀介氏)。ただ大型化が難しく、大がかりな設備投資が必要だというデメリットがある。

一方、パナソニックは約5年前から住友化学と組み、高分子の有機材料を用いた「印刷方式」を研究してきた。「大型パネル生産に適した方式でコストも抑えられる」(林氏)。姫路の液晶パネル工場に300億円を投じ年内にも試作を始める。ただ、量産には4~5年の時間と、数千億円規模の投資も必要となる。

短期的にはソニー、長期的にはパナソニックの方式を確立し、生産は台湾に委託して巨額投資を避ける──。両社技術の強みを生かしたロードマップが実現できれば、提携のシナジーも出せるだろう。

両社ともに有機EL部門には数百人規模の開発要員を抱えているが、単独で戦う体力は残っていない。「リストラを避け、『前に進む』にはこの方法(提携)しかない」(関係筋)。ソニーは“支援”を狙い産業革新機構への働きかけを強めている。

“打倒サムスン”へライバル同士が手を組む日は訪れるか。

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(前野裕香 撮影:今井康一、ヒラオカスタジオ =週刊東洋経済2012年5月26日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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