結婚どころか今まで恋愛経験は一切ない人も…「年収500万の壁」を突破できない中間層の苦しい現実

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なぜ、令和の今、若者に「1人目の出産の壁=結婚の壁」があるのかについて整理していくと、実は、出産における「1人目の壁」とは別の「1人目の壁」というものがあることがわかりました。出生数の話ではなく、恋愛人数の話です。若者にとって、最初の恋愛をすることに壁があります。

常々、申し上げている通り「恋愛強者3割の法則」というものが存在します。恋愛力という面だけではなく、いつの時代も不思議と恋愛相手のいる割合というものは大体3割です。残り7割が恋愛していないということではなく、うち4割は「今は恋愛していないが過去に恋愛経験あり」、そして、残り3割が「今まで一度も恋愛経験なし」というものです。この傾向は多少のブレ幅はあっても、大枠の割合はほぼ変化ありません。

「一度も恋愛経験のない」男女の存在

この「一度も恋愛経験なし割合」を私は「未婚率」ならぬ「未恋率」と名付けましたが、2020年私のラボで調査したデータをもとに説明していきます。年齢5歳階級ごとに男女別で未恋率を表したものが以下です。比較のために、2020年国勢調査に基づいた年齢別の未婚率および恋愛経験はあるが未婚の割合をあわせて示しています。

これによれば、未恋率は、20〜24歳男性で40%、同じく女性で19%ともっとも高いのですが、全体の未婚率や恋愛経験ありの未婚率は年齢に応じて下がっていくのに対し、未恋率は、男女とも大体35歳あたりで下がらなくなります。35歳を超えてはじめて恋愛をするケースは統計上ほとんどないということがわかります。

生涯未婚率対象の50歳あたりでみると、未婚の9割はこの恋愛経験のない未恋者だけで占められることになります。つまりは、生涯未婚者とはほぼ生涯未恋者であるということです。逆に言えば、生涯未婚率が年々増加しているのは、この「一度も恋愛経験のない」男女が増えているからではないかとも言えるわけです。

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