「三つ折りスマホ」ファーウェイに続きサムスンも投入 "折りたたみ競争"で際立つアップルの遅れ

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日常の検索からビジネスメールの返信など、あらゆることにAIアシスタントを使っている人も多いだろう。だがAIアシスタントで調べた商品を買う場合はECサイトを使う必要があるし、返事を送る場合はメールやメッセンジャーを開く必要がある。AIアシスタントの利用が増えれば増えるほど、もう1つのアプリを使う頻度が増える。2つのアプリを同時に表示できる折りたたみスマートフォンは、AI時代に適したスマートフォンといえるのだ。

同時に複数のアプリを開いている様子
AIアシスタントとECサイトを同時に開くことができる(筆者撮影)

3つ折りスマートフォンを使えば、2つのアプリをより大きなサイズで開くことができるし、さらに3つのアプリを開くこともできる。たとえば「AIアシスタント+ECサイト+銀行アプリ」、といった組み合わせだ。タブレットを使えば同じようなことができるだろうが、タブレットは普段持ち歩くには大きすぎる。それに対して3つ折りスマートフォンなら持ち歩くときはスマートフォンサイズで持ちやすく、カフェや電車の中で座ったときは「タブレットサイズにして2つ、3つのアプリを使う」ということができるのである。

このような使い方は、一度折りたたみスマートフォンを使ってみると、もう従来のスマートフォンには戻れないと思えるほど快適だ。だからこそ筆者は最初に折りたたみスマートフォンが登場した時から6年間、新製品に買い替えながら使い続けている。だが一方で「折りたたみスマートフォンを買おうとは思わない」という人も多いことは理解できる。ここで言いたいのは「折りたたみが必要か、不要か?」ということではない。より大きな画面が必要なユーザーに対して、メーカーが新たな形状の製品を開発し、技術革新を進めているという姿勢が重要なのだ。

「Galaxy Z TriFold」を見ても興味を持たない人もいるだろうし、このような技術は不要という声も出てくるだろう。しかし少なくとも折りたたみスマートフォンは年間2000万台近くが売れており(2024年の各調査会社データから推測)、それだけのユーザーニーズがある製品だ。またファーウェイの3つ折りスマートフォンは中国のニュースなどによると1年間で50万台程度が売れたそうである。価格が高いことや3つ折りモデルを1社しか出していないことからこの数字だけを見て好調・不調の判断はできないが、サムスン電子が参入したことで3つ折りスマートフォンユーザーは今後増えていくだろう。

アップルはまだ折りたたみスマホを出していない

さてここまでスマートフォンの代表的メーカーでもあるアップルの名前が出てこないことからわかるように、同社は折りたたみスマートフォンを出していない、唯一の大手メーカーだ。ところがiPhoneの販売は絶好調である。各調査会社のデータによると、2025年9月に発売した「iPhone 17」シリーズの販売は好調であり、2025年通年ではサムスン電子を抜いてアップルが出荷台数で1位になるとの予測も出ている。折りたたみスマートフォンがなくともアップルのiPhone事業は順調だ。

次ページアップルのiPhone事業は順調に見えるが…
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