「なぜ?」を繰り返すのは"ウザい"だけ・・・部下が心を閉ざす"尋問型"1on1から脱却する方法
そして、「なぜ?」を繰り返すといえば、 問題解決の手法として「なぜなぜ分析(5 Whys)」も有名ではないでしょうか。こちらも、不用意に部下や後輩とのコミュニケーションで使っているとしたら要注意です。
上司が「なぜ?」と言うのは簡単ですが、質問される側はきついものです。「なぜ? なぜ?」と何度も使われると部下は追い詰められたように感じて怖いものです。「質問」のつもりが「尋問」に変わってしまいます。
社会背景としましては、「日本企業の従業員エンゲージメント(仕事への熱意)がわずか5%で世界最低水準」というデータが挙げられます。その原因として、上司と部下の対話不全や、心理的安全性の欠如が指摘されています。
そこで、多くのリーダーが陥りがちな「質問の罠」と、部下の本音を引き出すために本当に必要なポイントについて解説したいと思います。
相手がどうしたいのかを引き出せるような質問は?
とある製造業の経営者から次のようなご相談がありました。
「役員と1on1をしているが、相手が何を考えているのか、どうしたいのかを引き出せない。どんな質問をすればいいか?」
正直なお話、どんな質問をすればいいかと考えている時点で1on1の本質を間違えている可能性が高いです。
人間はロボットや機械ではありません。このボタン押せば、期待した答えが返って来るというものではないのです。つまり、質問の仕方を変えれば、正しい質問をすれば相手の考えが引き出せると考えている時点で危険信号と言えます。
人は理屈では動きません。人は感情の生き物であり、気持ちのアップダウンも当然あります。プライベートで悩みを抱えていながら、職場で言えてない人もいることでしょう。相手のことを普段から気にかけていて、いつも部下の可能性を信じて期待する言葉をかけていれば、質問の仕方がどうであれ部下は次のように思ってくれることでしょう。
「社長は、いつも私の将来を考えてくれている。いつも私の可能性を信じてくれている。今回も、私のことを大切に考えてくれて質問してくれているんだな」
ひいては、社長の期待以上の答えが返ってくることもあるかもしれません。大切なのは質問の仕方ではなく、社長の日常のコミュニケーションのあり方なのです。



















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