「チクったら殺すぞ」万引き常習犯の中学3年生男子がついに補導!"高校合格"取り消しを恐れ号泣する末路 『子供部屋同盟』5章④

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芥川賞作家✕東洋経済オンラインの「異色コラボ」連載小説!
「子供部屋おじさん」が、あなたの復讐、請け負います。
パワハラ、詐欺、痴漢冤罪(えんざい)、書店万引き――。裁かれぬ現代社会の悪を、人知れず断罪する者たちがいた。ダークウェブに潜む謎の復讐代行組織「子供部屋同盟」。
社会から疎外された「子供部屋おじさん」たちが、その特異なスキルを武器に、歪んだ正義を執行する。
芥川賞作家・高橋弘希が放つ痛快無比の世直しエンタメ『子供部屋同盟』より、第5章を4日に分けて毎日お届けします(今回は4日目)。

執行開始。上級生グループのあとを追う弥太郎君

執行当日の午後五時半、浩一は指示通り、北中学校の裏手にある児童公園を訪れた。パステルカラーのベンチに座り、スマホで子供部屋同盟にアクセスする。

子供部屋同盟
『子供部屋同盟』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

子供テレビには、見慣れた朝日堂書店の入口が映されている。十分が過ぎたころ、六人の少年たちが自転車でやってきて、店内へ入っていく。上級生グループだ。

撮影者だろう弥太郎君は、彼らのあとを追うように店へと入る。その日も上級生グループは、談笑しながら店内をうろうろとして、何も購入せずに出口へと向かった。万引きをしたのかどうかはまったく分からない。

でも弥太郎君は彼らが書店を出たところで、迷うことなく速水先輩の腕をつかんだ。

「兄ちゃん、ちょっとえぇか?」

速水先輩は怪訝な顔でこちらを見上げる。

「なんで声かけられたか分かるやろ?」

速水先輩の瞳に不安の色が混じる。

「ほな、事務室行こか?」

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