人口減少に立ち向かうためのアイデアは「定住」と「交流」の間にあった。管理社会から人を自由にする「関係人口」論

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窪田 良氏、高橋 博之氏
いろいろな場所を「行ったり来たりする」大切さとは?(写真はいずれも本人提供)
「近視になってもメガネをかければいい」と思っている人は少なくないが、実は近視は将来的に失明につながる眼疾患の発症リスクを高める、危険な疾患なのである。しかし、身近に眼疾患の経験者がいなければ、その実感が湧かない人がほとんどではないだろうか。
近視は病気です』の著者であり、近視の予防を呼びかける眼科医である窪田良氏の対談企画。今回は、「関係人口」の提唱者でもあり、さまざまな方法で地方と都市の活性化に取り組む高橋博之さんにお話を聞く。初回となる本記事では、関係人口や「ポケットマルシェ」などの取り組みの根底にある震災体験や、現在の日本社会について感じることなどを語ってもらった。

応援してくれる人たちと一緒なら、復興できる気がする

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窪田:高橋さんといえば、まずは「関係人口」という言葉をおいては語れないと思います。この概念や、提唱に至った経緯などからうかがえますでしょうか。

高橋:きっかけは2011年の東日本大震災でした。僕は当時、大きな被害を受けた岩手県大槌町の支援に当たっていました。避難所に指定された安渡(あんど)小学校の校庭で焚き火をしながら、地元の人たちと集まっていたとき、自治会長さんにこんなふうに言われたのです。

「大槌町ではたくさんの人が亡くなったし、若い人は内陸部に避難して、町から人がいなくなってしまった。でも高橋くんみたいに、ここに住んでいなくても何度も通って応援してくれる人たちがいる。自分たちだけだったら無理かもしれないけれど、そういう人たちと一緒なら、復興できる気がするよ」と。

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