人口減少に立ち向かうためのアイデアは「定住」と「交流」の間にあった。管理社会から人を自由にする「関係人口」論

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窪田:自分がやりたいことに出合うのはなかなか難しいことでもありますが、高橋さんはやりたいことに突き進むことで、ジャンルを問わずに道を開いてこられたと思います。日本は大学進学から就職後に至るまで、あまり寄り道が推奨されていない気がします。でも、いろんな方向を探ることで感動も楽しさも生まれるということを知ってほしいですね。高橋さんのライフスタイルは、多くの人のロールモデルにもなると思います。

自由の少ない管理社会で、人はリスクを恐れている

高橋:寄り道が許されないこともそうですが、今の日本――とくに都市部は、とても自由が少ない管理社会ですよね。管理社会はゼロリスク志向でもあるので、みんなリスクを負うのを非常に怖がっていると思います。でも、「環境や条件が整ってからやる」と言っていたら、いつまで経ってもできないと僕は思っているんです。やりたいときにやりたいことをやるのはリスクが付きもの。それを最小化するために一生懸命考えて、ときどき痛い目に遭いながらも前進を続けることこそが、生きるリアリティなんじゃないでしょうか。

窪田:そのとおりだと思います。リスクがなくなるのを待っていたら、ノーリスクになったときにはすでに誰かがやった後でしょうね。

高橋:都市の外に出て地方に行ってみることからも、管理社会の中では得られないリアリティが得られると思います。ただ、いきなり住む場所を変えるのはさすがに怖いと思うので、まずは行ったり来たりすればいいというのが僕の関係人口論です。

管理された都市は、評価の眼差しに晒され続ける競争の世界だといえます。そこで頑張り続けるのもいいけれど、ときどき自然豊かな世界に行ってみるぐらいならできるんじゃない?という。

(構成:鈴木絢子)

窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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