「初めて本当の暗闇を味わった」新宿育ちの青年が、能登の被災地で感じたこととは? 地方での体験が都市生活のヒントになる

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都市生活は「ケージ飼い」に似ている?(写真はいずれも本人提供)
「近視になってもメガネをかければいい」と思っている人は少なくないが、実は近視は将来的に失明につながる眼疾患の発症リスクを高める、危険な疾患なのである。しかし、身近に眼疾患の経験者がいなければ、その実感が湧かない人がほとんどではないだろうか。
近視は病気です』の著者であり、近視の予防を呼びかける眼科医である窪田良氏の対談企画。今回は、「関係人口」の提唱者でもあり、さまざまな方法で地方と都市の活性化に取り組む高橋博之さんにお話を聞く。第2回では、地方ではなくむしろ都市が抱える課題を指摘する。「養殖いけす」や「ケージ飼いのニワトリ」など、同氏が取り組む食になぞらえて詳しく語った。

安全な暮らしが、人類の脳をどんどん小さくさせている

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窪田:リスクテイキングしながら違う環境に行ってみることは、私も大事だと思います。

この数万年で、私たち人類の脳はどんどん小さくなっていると言われています。その理由について、生活が安全になったからだという説があるんです。

原始時代は食べ物を確保するのも今よりずっと大変で、一歩先にどんな困難が待っているかもわかりませんでした。

同じような日は二度となく、つねに異なる状況の中で、頭をフル回転させながら危機を回避して生きていた。それによって、当時の人類の脳は鍛えられていたというんです。

高橋:そうかもしれません。僕は都市の社会は、例えていうなら養殖いけすのようなものだと思います。決まった時間にエサがまかれて、口をぱくぱくしていればとりあえずは死なない。でも、食べているものも見ている景色もいつも同じですよね。

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