まず、腎機能を維持していくうえで心がけてほしい「糖質とのつき合い方の基本姿勢」を述べておきましょう。
みなさんは糖質の過剰摂取がどうしていけないのかをご存じでしょうか。それは糖質をたくさん摂っていると「血糖値スパイク」が起きやすくなるからです。これは、食後に血糖値が急上昇したり急降下したりする現象。
こうした血糖値の乱高下が日々繰り返されると、だんだんインスリンが効きにくくなって高血糖状態が続くようになり、結果、糖尿病の発症や悪化へとつながっていくのです。
また、こうした血糖値の乱高下は全身の血管を傷めてもろくしてしまい、動脈硬化を進行させる大きな原因になります。なかでもとくに大きなダメージを被るのが腎臓の毛細血管で、こうした腎臓の毛細血管の疲弊が進むとてきめんに慢性腎臓病が進行してしまうようになるのです。
だから、腎臓を守っていくには、糖質の摂りすぎを控えて「血糖値スパイク」を防ぎ、できるだけ血糖値上昇をゆるやかにする食べ方を身につけていく必要があるわけです。
「極端な糖質制限」はやってはいけない
糖質対策の基本は、ごはんやパン、麺類などの糖質の多い主食を控えめにして、肉や野菜などのおかずを増やしていくという姿勢です。これを心がけているだけでも、食後の血糖値上昇をゆるやかにすることにつながります。
もっとも、これに関しては「それくらい、もうとっくにやってるよ」という方も多いかもしれませんね。わりと最近まで「糖質制限食」がはやっていましたから、みなさんの中にも「主食少なめ/おかず多め」を意識して食べている方が多いのではないかと思います。
ただ、糖質は少なめのほうがいいからといって、ごはんやパンの摂取をゼロにしてしまうような「極端な糖質制限」を行うのはいけません。
主食の糖質は、人間の脳や体に絶対に欠かせないエネルギー源。とくに高齢者が栄養不足・エネルギー不足に陥るのは危険なので、あくまで「いつもよりちょっと控えめにする」程度にとどめておいてください。むしろ、高齢の方々は、ごはんやパンなどの主食に関しては「少なめの量を毎食ちゃんと食べる」のを基本に据えておくほうがいいでしょう。
では、こういった「基本姿勢」を守りつつ、慢性腎臓病の人はどのような糖質対策の工夫をしていけばいいのか。具体的な食べ方の工夫ポイントを4つほど紹介していくことにしましょう。



















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