そこで筆者たちは、過去全ての「体を温める介入」を検証したランダム化試験を調べました(※3)。4000件近くの論文に全て目を通し、関連する20の研究を解析しました。
すると、数日〜3カ月程度の効果をみた研究がほとんどで、長期の効果をみたものは皆無でした。その期間で血圧の変化、コレステロールの変化、血糖値の変化などをみた研究が多く、体を温める介入は入浴とサウナがほとんどで、他にはホットヨガや手や足など局所を温めるものがありました。
対象者はかなりバラバラで、20代の元気な方を対象としたものもあれば、高齢の心臓病の方を対象としたものまでありました。
これらの結果を平均してまとめてみると驚くべき結果が得られました。なんと、体を温める介入の効果は、平均すると何も認められなかったのです!
入浴・サウナに健康効果があるとする研究
ここで、「効果あり」とする研究と「効果なし」とする研究にわかれていることに注目しました。もしかしたら全部平均したら効果はないかもしれませんが、人によっては効果があるかもしれません。
そこで「サウナや入浴など全身を温める介入」だけをみてみると、4mmHg程度の収縮期血圧を減らす効果が認められました。
また、心臓病のリスクがある人だけを対象としてみると3mmHg程度の収縮期血圧減少効果が認められました。
逆に、手や足だけを温める介入や、元気な若い人を対象とした場合、体を温める介入には効果が認められませんでした。
コレステロールや血糖値には、そのように細かくみてみても効果は認められませんでした。



















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