「こんなに頑張っているのに変われない…」→そう悩む人に知ってほしい《無意識》に関する知識とは

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だから同じ現象でも、ある人にとっては励ましに感じられ、別の人にとっては批判に感じられるという違いが生まれる。

重要なのは、「現実そのものが変わっているのではなく、見方を決めているフィルターが違う」という点である。

フィルターが変われば、感じ方も、言葉も、行動も、そして現実も変わっていく。
無意識のフィルターは、あなたの世界の“初期設定”となっているのだ。

【フェーズ②】無意識が出来事に意味づけをし、「感情」が生まれる

無意識によってかけられたフィルターは、目の前の出来事にどんな意味を与えるのかを決める。

その意味づけが感情を生み、その感情があなたの行動に影響する。

つまり感情とは、単なる反射ではなく、「無意識が世界をどう捉えたかの結果」なのである。

北海道・釧路港の夕日を眺めたときの経験がある。

雲の隙間から差し込む光は黄金色に輝き、海面に赤い道をつくっていた。思わず「世界はなんて美しいのだろう」と感じた瞬間だった。しかし、その横を歩く老夫婦はこうつぶやいた。

「いやね、暗くて。気が滅入っちゃうよ」

まったく同じ夕日を見ているのに、受け取っている“世界”はまるで違う。これは感情の違いではなく、無意識が生み出す“意味づけの違い”によって起きている。

心理学者リサ・フェルドマン・バレット博士によれば、感情とは外界への反射的反応ではなく、脳が状況を予測して意味づけした結果である。脳は膨大な情報を処理するために、過去の経験、そのときの身体の状態、無意識の設定を組み合わせて、「この状況なら私はこう感じるはずだ」と予測し、感情をつくり出す。

だから、

・“許せない”と無意識が設定されている出来事なら、思い出すたび同じ怒りが蘇る
・“自分はダメだ”というスキーマがあれば、何を見ても落ち込む材料に感じる

という現象が起こる。

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