「推しのライブで有給取ります」入社6カ月の新人が繁忙期に放った一言に会議室は凍りつき…「Z世代VS氷河期世代」対立抜け出すキーマンとは

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そして第3に、「30〜40代の中堅社員を価値観の翻訳者として配置しています」。氷河期世代の責任感と経験、Z世代の柔軟性とデジタル感覚。両方を理解できる中堅層がハブになることで、摩擦は協働へと変わり、組織にダイナミズムが生まれます。

つまり、これからのマネジメントとは、違いをなくすことではなく、違いを活かすデザインです。衝突をなくすのではなく、衝突を価値に変える。同化ではなく、共創へ。ここに、組織の進化の突破口があるのです。

氷河期世代が変わると、組織は変わる

だからこそ、変化の起点となるのはZ世代ではありません。カギを握るのは、氷河期世代の管理職です。

「俺たちの頃は……」という言葉をぐっと飲み込み、「どうすれば若手の力を引き出せるか」へと視点を切り替えた瞬間、マネジメントは一気に進化します。

氷河期世代が手放すべきは、かつて自分たちを支えてきた“我慢と根性による成功体験”です。今の時代は、「耐える」ではなく「伸ばす」ことで成果が生まれる。その変化を後押しするのが、評価制度の再設計や育成目標のアップデートといった経営層の意思決定です。

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確かに、世代間の違いは厄介です。衝突も起きるでしょう。しかし、それは組織にとって“最大の伸びしろ”でもあります。氷河期世代の 「責任感と粘り強さ」と、Z世代の 「柔軟性とデジタル感覚」、この“異なる強み”が掛け合わさったとき、組織はこれまで想像できなかったほどの力を発揮します。

大切なのは、リーダーがまず「違いを歓迎する姿勢」を持つことです。「昔はこうだった」ではなく、「今、このチームをどう強くするか」に目を向けること。世代間の“壁”を“橋”に変える。未来の組織は、“同じ価値観を持つ集団”ではなく、“違いが力になるチーム”です。その一歩を踏み出した企業こそ、これからの時代、激しい変化の中で強く、生き残り、成長していくはずです。

安東 邦彦 ブレインマークス株式会社・代表取締役

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あんどう くにひこ / Kunihiko Ando

1970年大阪府生まれ。ITベンチャーの取締役を経て、2001年に中小企業向けのマーケティング支援を行う株式会社ブレインマークスを設立。
売上は伸びたものの、行き着いた先は、社長の孤立、賃上げ交渉、ギスギスした職場。何とか良い組織にしたいと試行錯誤を繰り返すが、組織構築と崩壊を繰り返す。ついには社員ストライキにより、社員が次々と退職。

その後、世界的コンサルタント、マイケルE.ガーバーと出会う。渡米して、「社長依存型の組織を脱却し、自走する組織をつくる」方法を学び、実践した結果、組織が生まれ変わる。

現在は、その経験と米国メソッドをもとに社員30人以下の中小・ベンチャー企業に『社長が不在でも事業を拡大する仕組みづくり』を支援し続け、現在までに個別での支援した企業は約200社、主催する経営塾の卒業生は1000社を超える。中小・ベンチャー企業の事業拡大に特化した実践的な講演で、経営者団体、金融機関、保険会社などからの講演依頼は年間50回を超え。

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