「推しのライブで有給取ります」入社6カ月の新人が繁忙期に放った一言に会議室は凍りつき…「Z世代VS氷河期世代」対立抜け出すキーマンとは

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つまり、氷河期世代とZ世代は、単に「性格が違う」のではありません。生きてきた背景も、戦ってきた環境も、守るべきものも違う。それぞれ、“時代の生存戦略”として身につけられたものなのです。

この違いを理解せずにダメ出しだけが続けば、摩擦は深まり、声なき反発が広がり、組織は音もなく力を失っていきます。いま必要なのは、誰かを責めることではなく、まず「前提から違う」という事実を受け止めること。ここからしか、世代間の衝突は“成長の起点”に変わりません。

違いを活かすマネジメント

ここまで見てきたように、価値観の違いはもはや避けられません。しかし現場では、世代間の衝突を前に、多くの管理職がこう嘆きます。

「分かっちゃいるけど、結局どうすればいいのか分からない。どちらの価値観にも正義があるからこそ、余計に難しい」

その通りです。だからこそ、片方を“矯正”しようとするマネジメントは、必ず行き詰まります。「若手を厳しく鍛え直す」でもなく、「ベテランの文化を古いと言って切り捨てる」でもない。必要なのは、違いを認めたうえで互いの強みをつなぐ“橋渡し”というマネジメントです。

実際、成果を出している組織には共通点があります。彼らは、次の3つの土台を丁寧に整えています。

第1に、「成長の道筋を可視化する仕組み」をつくっています。スキル基準や役割の定義、次のステップに進む条件が明確であれば、若手は“どこへ向かえばいいか”を理解し、自ら動き始めます。行き先が見えると、不安は期待に変わります。

第2に、「報酬の重心を肩書きから成果と成長へ移しています」。役職よりも“貢献実感”を求めるZ世代に対し、プロジェクト単位の評価や成果連動の制度を導入することで、「挑戦する意味」が明確になります。「昇進しないと報われない」のではなく、「成長すれば報われる」構造へとアップデートしているのです。

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