「推しのライブで有給取ります」入社6カ月の新人が繁忙期に放った一言に会議室は凍りつき…「Z世代VS氷河期世代」対立抜け出すキーマンとは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その瞬間、会議室には一瞬の沈黙が流れます。同じ場所にいるのに、まるで別の言語で会話しているような感覚。遠慮なく主張するZ世代と、空気を読む文化で働いてきた氷河期世代。この光景は、特別なものではありません。いま日本中の現場で、毎日のように起きていることなのです。

現場で起きている“すれ違い”の温度差

価値観のズレは、派手な衝突として表面化するわけではありません。本当に苦しいのは、日常の小さなやり取りの中で積み重なる違和感です。

始業前。上司のパソコンにメッセージが届きます。

「体調が微妙なので、今日はリモートで働きます」「有給を1分単位で取りたいのですが可能ですか?」「次回の顧客訪問、スニーカーで行っても大丈夫ですよね?」

会社のルールにないことまで、平気で交渉してきます。若手にとっては、ただの相談であり、合理的な提案です。この方が、コスパ、タイパがいい。そして、自分にとって価値があるかどうか。それ以上の意味はありません。

しかし、画面を見つめる上司の胸中には別の感情が湧き上がります。

「いや、ちょっと待ってくれ……。会社のルールにないことまで、自分で決めるなよ」

若手の“合理性”は、上司には“礼儀や責任感の欠如”として映るのです。

別の場所ではこんな本音が漏れ聞こえてきます。

「俺たちの頃はさ、熱があっても出社したぞ……。“休みたい”なんて言える空気じゃなかった」

一方で、若手は若手で、仲間同士でこう語ります。

「なんで有休を使うのに気をつかわなきゃいけないの? 働く側の当然の権利だよな」

ここで交わされているのは、単なる業務連絡ではありません。氷河期世代が大切にしてきた “空気を読むという暗黙の了解” と、Z世代が疑わない “当然の権利意識” の衝突です。

次ページ価値観の違いは、“甘え”や“わがまま”の問題ではない
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事