「"自分語り"が多い」「国分もかわいそう」と賛否…ようやく実現した《国分太一の会見》と《日テレの対応》に抱く、"強烈な違和感"の正体

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国分さんの会見と日本テレビのコメント、さらにネット上の反応を見ていて、「1つ重要なことが見落とされている」と感じさせられました。

それは「被害者の真意が一向に伝わってこない」こと。答え合わせをしたい国分さんの気持ちは理解できるものの、被害者はそのことについてどのように考えているのか。たとえば、もし被害者が謝罪を拒否していることが明確にされていたら、国分さんの会見は違ったものになっていたのかもしれません。

今回の騒動における「危うさ」

被害者は対面または非対面での謝罪や補償を求めているのか。あるいは「世間で騒がれているほど怒っていないから謝罪なんていらない」と思っているのか。

さらに「1日も早く忘れたいだけ」なのかもしれないし、「答え合わせを求める会見を見てまた嫌な気持ちになった」かもしれない。もっと言えば、「すでに十分な社会的制裁を受けたから社会復帰してほしい」と思っているのかもしれない。

被害者は日本テレビが打ち出してきた対応を本当に望んでいるのか。本人の意思がうかがえるようなコメントがないところに、今回の騒動における危うさが感じられます。

日本テレビは本当に被害者を守る防波堤になろうとしているのか。それとも、会社を守るために被害者の意志を明かさずブラックボックス化しているのか。

当初は前者とみなす人が多かったものの、時間の経過とともに「個人が日本テレビという大企業に言葉を封じられているのではないか」などと疑う声も見られるようになってきました。

真偽はさておき、週刊文春電子版がコンプライアンス違反の詳細を報じるなど、完全なブラックボックス化にはしづらい世の中であることもその一因でしょう。

いずれにしても、企業におけるコンプライアンス違反の加害者・被害者対応を考えさせられる事案であることは間違いなく、まだまだ世間の注目を集め続けるのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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