人は、「あまりにも足りない」と感じていると、正常な判断ができなくなるという。
さみしい人ほど友人をつくるのが難しく、時間に追われている人ほど失敗をしやすい。いつもお金がないと感じている人ほど、お金の問題で焦り、お金に振り回されがちだ。
だからこそ、わずかでも「自分の財政は安全だと感じられる」何かを持つことは大切だ。この安全感があるだけで、心のゆらぎは減り、平常心を保てる。「たとえ失敗をしても、人生に大きな影響はない」と思えるようになるのだ。
では、その安全感をもっとも手軽に生むものは何か。変化の激しい今こそ、見落としがちな「安定の価値」を改めて考える必要がある。
現役投資アナリストとして富裕層と接してきた執筆者が、その著書『
投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話』の中で、あなどれない給料の底力を解説する。
「足りない!」が判断を狂わせる
アメリカのハーバード大学経済学教授のセンディル・ムッライナタンとプリンストン大学心理学部教授のエルダー・シャフィールは『いつも「時間がない」あなたに―欠乏の行動経済学―』(早川書房)で、欠乏が人々の生活にどのような影響を与えるのかをありありと伝えている。
それによると、行きすぎた欠乏は、正常な判断をできなくさせるという。
足りないと感じていることで頭がいっぱいになり、他のことを考えられなくなるためだ。だから、さみしい人ほど友人をつくるのが難しく、時間に追われている人ほど失敗をしやすい。極端な欠乏は悪循環につながるのだ。
そして、極端な欠乏による弊害が出やすい分野がお金だろう。
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