急成長から一転…《突如破綻した企業》に共通する"盲点"。メガソーラーなど注力の「建設会社」、コロナ禍で躍進した「カプセルトイ大手」を深掘り
ネクサス社の成長要因もこの隙間スペースの活用によるものといえる。アミューズメント施設の運営もさることながら、ホームセンターや商業施設などの隙間スペースに積極的に設置。
特にコロナ禍で空きスペースが増えた商業施設にとっては渡りに舟となり、最大370カ所に販売機を設置し、2024年4月期には約48億3500万円の売上高を計上するまでに至っていた。
突如発覚した赤字企業の実態
しかし、2025年1月に代表が死去したことで事態は一変する。後継者が不在のなか、社内で財務内容を精査した結果、過年度にわたる多額の不適切会計が発覚。10億円超あった自己資本は霧散し、債務超過に転落。社外への資金流出などがあったとされる。
ただ、それ以上に関係者を驚かせたのが成長市場で拡大路線をひた走っていたネクサス社が、実態としては赤字企業だったということだ。コロナ禍で急拡大した設置場所のなかには、赤字のところも多く、さらにはカプセルトイを補充する人員の費用負担も重かったようだ。
当たり前ではあるが、設置場所が多ければ補充に人手が必要となり、さらに移動にかかわる燃料代の高騰も利益を圧迫した。一方、こまめに補充を行わなければ機会損失が発生するとともに、欠品の多い売り場として設置している施設との関係も悪化してしまう。
ネクサス社は長年にわたり不採算だったが、表面的に黒字に見せかけ、金融機関からの借り入れで赤字分を補填することで資金を繰り回していた。しかし不適切会計の発覚後は、金融機関からの融資は当然ストップし、毎月のキャッシュフローはマイナス1億円となっていた。



















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