急成長から一転…《突如破綻した企業》に共通する"盲点"。メガソーラーなど注力の「建設会社」、コロナ禍で躍進した「カプセルトイ大手」を深掘り
21年期初では年売上高の1.8倍以上となる485億6600万円の未成工事を有していた。それが23年期初には540億4500万円、24年期初には754億6600万円と最終的には売上高の3倍近くに膨張した。
人手不足が騒がれる建設業界において施工能力を維持するのは容易ではなく、受注はあるが売り上げは立たない、工事はするが完成しないという状況に追い込まれていく。倒産直前にはメガソーラー建設事業で50億円の回収遅延が発生し、受注ありき、売上ありきの経営体制のリスクが浮き彫りになっていた。
直近3期を見ても経常損益段階で数億円の黒字を計上していたが、推定フリーキャッシュフローは、23年5月期で▲27億円、24年同期で▲41億円、25年同期で▲44億円を計上。多額の現金が流出し続けていることがわかる。
金融機関からの借入で、なんとか資金繰りを維持していたものの、最後は取引先からの入金が遅れたことで資金繰りが崩壊。10月9日に222億円超の負債を抱え、大阪地裁へ会社更生法の適用を申請した。
カプセルトイで急成長を遂げたのに…
急拡大の末に破綻したもう1つの企業が、9月に約65億円の負債を抱えて自己破産を申請したネクサスエンタープライズ(ネクサス社)。ガチャガチャなどの名称で知られるカプセルトイで成長を遂げた企業だ。
同社は10年に個人創業し、UFOキャッチャーに特化したアミューズメント施設を運営していた。12年5月に法人化すると、その後は成長過程でカプセルトイに事業をシフトしていき、カプセルトイ専門店「ガチャマンボウ」(無人店含む)を展開していく。
昨今のカプセルトイ市場は大きな伸び率で成長してきた。日本カプセルトイ協会によると、24年度の市場規模は製造元出荷ベースで前年度比20%増の約1410億円に達している。その要因はいくつかあるが、販売機を商業施設や駅のありとあらゆる隙間スペースに設置できることも大きい。



















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