「旧ビッグモーターの倒産劇」に映る2つの潮流 中小零細企業の倒産にも増えた「事業存続型」
2024年の企業倒産件数は2013年以来の高水準となる見通し。主な倒産事例の「負債額ランキング」から、BALM(旧・ビッグモーター)や船井電機など世間をにぎわせたケース、昨今の経営が行き詰まる事例の特徴などについて、帝国データバンク情報統括部の内藤修・情報編集課長に聞いた(インタビューは2024年12月中旬)。
※記事の内容は東洋経済の解説動画「【増える企業倒産】2024年は11年ぶり高水準/負債額ランキング」から前編の一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
「ゼロゼロ融資」の返済負担に加えて
――2024年は企業の倒産がかなり増えた年でした。帝国データバンクの統計からはどのような傾向が読み取れますか?
2024年は11月末までのデータですでに9000を超える倒産件数を記録しています。今のペースだと年間合計は2013年以来11年ぶりに1万件を超えそうで、非常に高い水準になっています。
個々のケースを見ていくと、コロナ禍の「ゼロゼロ融資」でなんとか持ちこたえていたものの、そこから1年経ち、2年経ち、資金的な余裕がしだいになくなって行き詰まった中小零細企業の事例が目立ちます。
ゼロゼロ融資の返済負担に加えて、人手不足や物価高といった、企業にとってのコスト増につながる要因が重なり収益が圧迫された末に、事業継続をあきらめざるをえないパターンが目立っています。
――ゼロゼロ融資で持ちこたえていた企業もさすがにきつくなっているということで、年間ベースでの倒産件数も増えているわけですね。
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