「今日のご飯何?」が重圧に——。料理の時短が進むほど「献立決め」が苦行化する"皮肉"。「考える家事」はシェアできるか?
共働き家庭が増え、できるだけ簡単、スピーディーに食事を準備したい、というニーズは高まる一方。だが調理の「時短」が進むと、隠されていた家事の負担がはっきりと見えてくるのだろうか——。
ジェイアール東日本企画イマドキファミリー研究所が10月、興味深い調査結果を発表した。それは「2025年度研究【イマドキ家族の食事に関する調査】~コロナ禍を経て変化した食卓事情~」。
首都圏在住の長子が1歳から小学校4年生までの子どもを育てる25~49歳の女性を対象に調査し、2018年度の類似調査と比較した結果、調理の負担感が減少した一方、献立を決める負担感はより重くなったことが判明したという。
この結果は、ある意味家事の効率化が究極まで進んだからと思われる。それはどういうことか、考えてみたい。
最も負担なのは「献立を考えること」
同調査で、平日の夕食の支度を負担に感じる共働き女性のうち、最も負担なのは「献立を考えること」で87.0%。2018年調査から6.7%増加している。一方、調理の負担感は78.7%で、2018年より4.2%減っている。
調査レポートは、調理負担が減った要因を、加工食品や自動調理鍋といった時短ツールを駆使し、鍋をそのまま食卓に出すなど見た目にこだわらなくなったこと、そして働き方が多様化した結果としている。
献立を決める負担が増加した背景には、参考にする情報源がレシピサイトから、SNSに流れてくる料理情報に変化したことを挙げる。レシピ検索は自ら料理を考える能動性がある一方、SNS情報頼みは受動的で選択肢が多く迷いやすい。



















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