青春はなぜ「青」なのか?知れば知るほど奥深い漢字の世界を名門校教師が解説

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したがって、冒頭の質問への答えは「中国の五行思想に基づくから」ということになるのですが、私はそれ以外にもいろいろな理由があるのではないかと考えています。実は漢字の世界において、「青」というのは特別な色なのです。


みなさんは、「青」という言葉を含んだ漢字をいくつ思い浮かべることができますか?

例えば「清」という漢字。これは「氵(水)」+「青」ですよね。同じように、「晴」という字は、「日」+「青」ですよね。こうやって考えていくと、「清・晴・精・請」など、「青」をつくりに持つ漢字を思い浮かべることができると思います。

さて、この「青」を含んだ漢字の共通点は、なんだと思いますか? 

実は「清・晴・精・請」はすべて、音読みで「セイ」と読みます。これは偶然ではなく、「青」というつくりの部位が音を作っているのです。

部首と「音符」

少し脱線しますが、みなさんは、「悶」という漢字の部首は「門」と「心」のどちらか、わかりますか? 正解は「心」です。「えっ、門の方が大きくて目立つのにどうして?」と思うかもしれません。実際、部首は「門(もんがまえ)」と答える人のほうが多いかもしれませんね。

次に、「芯(シン)」という漢字を見てみましょう。この漢字の部首は、「くさかんむり」と「心」、どちらでしょうか? この漢字にも「心」が入っていますが、部首は「くさかんむり」なのです。

「悶」と「芯」は、ともに「心」が下に付いている漢字でありながら、部首が違っているわけです。これだけ見ると、「部首って適当に付いているもので、面倒臭いものなんだな」と思うかもしれません。ですがこれ、見分け方がしっかりあるのです。

改めて「悶(モン)」という漢字を見てみましょう。読み方は「モン」で、これは「門(モン)」と同じですよね。
つまり、「門」が漢字の「音」、つまりその漢字の音読みを担っているわけです。これを「音符(おんぷ)」といいます。

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