腎臓寿命を延ばすために「無理なくできる5つの減塩方法」→【専門医が勧める】塩分を抑える調味料

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
〈減塩の工夫⑤〉加工食品の塩分に注意する

けっこう見落としている人が多いのですが、加工食品にはかなり多めの塩分が使われているものが少なくありません。

たとえば、ソーセージ、ハム、ベーコンなどの加工肉、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ、魚肉ソーセージなどの水産加工食品、それに、カップ麺、菓子パン、スナック菓子、おつまみ類など……。減塩を目指すなら、こうした加工食品はあまり食べすぎないよう注意したほうがいいでしょう。

しかも、こうした加工食品には、塩分だけでなく添加物としてリンが多く使われているものが多いのです。腎機能を守っていくには、リンもできるだけ摂取を控えたい成分のひとつ。つまり、加工食品は塩分とリンの両面において「要注意食品」だということ。摂取をゼロにする必要はありませんが、腎機能が気になる人は、買い物の際など普段から気をつけて接していくといいでしょう。

減塩は「慣れた者勝ち」と心得る

それと、減塩を成功させるには、「慣れ」を利用するのがおすすめです。しょっぱいものが好きだった人も、塩分を控えた食事を数週間も続けていると薄味に慣れてくるもの。不思議なもので、舌や脳が「これくらいの(薄い)味が普通だ」と感じるようになってくるんですね。

すなわち、減塩は「慣れた者勝ち」だということ。みなさんも試しにこれまで述べてきた「5つの工夫」を日々の食事で実践してみてください。きっと、1~2週間で薄味に慣れてくるはず。そして、たまに外食で丼ものなどを食べた際にはものすごく濃い味に感じるようになることでしょう。

「減塩」はさまざまな食事療法がある中でも、とりわけ腎臓への改善効果が現われやすいとされています。私はこれまで多くの慢性腎臓病の方々を指導してきているのですが、塩分を減らした食事が定着するとともに高血圧や腎機能の数値が目に見えて改善していく患者さんが少なくありません。

そのため私は、腎機能の低下が気になっている人はもちろん、まださほど低下していない人や健康な人に対しても、高血圧と慢性腎臓病の予防のために減塩生活にシフトすることをおすすめしています。

ですから、みなさんも早めの段階から「5つの工夫」を実践して減塩生活にチャレンジしてみてください。ぜひ、塩分を控えた食事に舌と脳を慣れさせて、腎臓寿命を延ばしていくようにしましょう。

上月 正博 東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こうづき まさひろ / Masahiro Kouzuki

医学博士。日本腎臓学会功労会員、総合内科専門医、腎臓専門医、高血圧専門医、リハビリテーション科専門医。1981年、東北大学医学部卒業。東北大学大学院内部障害学分野教授、東北大学病院リハビリテーション部長、東北大学大学院障害科学専攻長、同先進統合腎臓科学教授を歴任。2022年より現職。心臓や腎臓などの内部障害のリハビリテーションを専門とする。2011~2021年日本腎臓リハビリテーション学会理事長、2020より国際腎臓リハビリテーション学会理事長。2018年には腎臓リハビリテーションの功績が認められ、心臓や腎臓の分野に貢献した科学者に贈られる世界的に名誉ある賞「ハンス・セリエメダル」、2022年には「日本腎臓財団功労賞」を受賞。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事