「うちは、試合終了後にグラウンドに降りることができます。これも強みですね。友達と一緒に来て、暑かったことやミストのこと、公式パフォーマーの話も体験になる。そして試合終了後にグラウンドに降りて、源田壮亮がついさっきまで守っていたショートのポジションに立つこともできる。そういうことをすべて体験価値にしてくれれば、暑くても、ファンの満足度を高めることができる、と考えたんです。
普通は、暑いというマイナスをゼロにしようと考えますが、うちはゼロをプラスにするという発想の転換をしたんですね。ただ、この暑さ・寒さについては、対処すべき課題として、経営も認識しています。短期・中期・長期の視点を持ち、しっかりと対応していきたいと考えています」
ベルーナドームの魅力の一つは球場周辺の環境だと思う。客席に座ってガンガンに応援し続けるのではなく、立見席でビールを飲みながら観戦したり、球場を取り巻く店舗のグルメを楽しんだり、キッズエリアで子どもあそばせたり、ベンチにゆったり座って遠くに見える球場のざわめきを愉しんだり、観戦スタイルが多様になっている。回遊性も高いが、球団はこうした環境装置も「体験価値」につなげていく発想の転換をしたのだろう。
金色のネックレスのファンが増殖した理由
今年のライオンズで目立ったのは巨大な金色のネックレスだ。これを首から下げたファンがある日、大増殖した。
「選手への演出をシーズン前からいろいろ考えていて、セデーニョ選手がホームラン打ったらビッグチェーンネックレスを掛けようかとか考えていたんですが、思いのほか機会がなくて(笑)
セデーニョだけでなく、ヒーローインタビューで選手に掛けたりしたんですが、女性ファンがエモく写真を撮ったりして人気になりました。ファンの方は“クソデカネックレス”と言ったのですが、公式は頑なに“ビッグチェーンネックレス”ですと、主張しアピールをした。
オールスター戦に出る選手に持って行ってもらって、他球団の選手に掛けたりもした。そうしたらベルーナドームで非常に流行って、ライオンズファンのアイコンになりました。ベルーナドームの客席数は2万8104なんですが、ビッグチェーンネックレスは1万4000も売れました。今も品薄状態です。今年のベルーナドームを象徴するトピックスだと思います」



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら