「セ・リーグに対抗する意識はありません」6球団で力を合わせた施策でファンを拡大、パ・リーグ人気の立役者「パテレ」。運営会社の"戦略"の実態

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新井仁氏
パシフィックリーグマーケティング株式会社の新井仁氏。パテレ人気の背景を伺った(写真:今井康一)
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プロ野球パシフィック・リーグ加盟6球団の共同出資でつくられたパシフィックリーグマーケティング株式会社(以下PLM)は、 “パテレ”の愛称がプロ野球ファンの間で定着した「パーソル パ・リーグTV」をはじめ、インターネットでの動画配信を中心としたサービスを提供。2024年度パ・リーグ公式戦の観客動員数(約1201万人)は史上最多を更新したが、その裏でPLMが果たした貢献も大きい。 
同社設立の背景には何があったのか。どのような考えで取り組み、今後はどのようなビジョンを描いているのか。代表取締役CEO 新井仁氏に話を聞いた。 

プロ野球界全体の利益を意識 

2004年にプロ野球界の再編(オリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズが合併、楽天が新規参入、ソフトバンクがダイエーホークスを買収)があり、2005年からは、言わば新たなパ・リーグが始まった。当時、福岡ソフトバンクホークス株式会社に在籍していた新井氏は、PLM設立の背景についてこう語る。 

「球界の再編もそうですし、2005年からはセ・パ交流戦がスタート。2004年~2006年にはパ・リーグがプレーオフを独自で開催し、2007年からはクライマックスシリーズが始まるなど、2000年代半ば頃は野球界全体がダイナミックに変わっていく様子を肌で感じていました。弊社の設立が2007年ですから、こうした大きな波が何らかのトリガーになったのは間違いないと思います。 

当時始めた主な取り組みには大きく2つあって、一つが携帯電話でパ・リーグの試合を視聴できる『プロ野球24』の提供。もう一つがパ・リーグ6球団が行っているIT事業をまとめることによるコスト削減。

PLM設立の背景には、『ITで何かできることがあるのでは?』という考えがあったと認識しています。同時期にソフトバンク、楽天というITに強い企業がパ・リーグ球団の親会社になったことも大きかったと思います」(新井氏) 

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