「セ・リーグに対抗する意識はありません」6球団で力を合わせた施策でファンを拡大、パ・リーグ人気の立役者「パテレ」。運営会社の"戦略"の実態
今でこそパ・リーグ各球場の観客動員数は増えているが、かつて「人気のセ、実力のパ」と言われていた時代もあった。人気では圧倒的にセ・リーグという時代が長らく続いていたわけだが、セ・リーグに対抗する意識はあったのだろうか。

「我々が意識しているのは、プロ野球というエンターテインメントをいかに盛り上げていくかということ。なので、プロ野球界全体の利益になるような取り組みができれば、ということを常に意識していますし、セ・リーグに対抗する意識はありません。
当然ですが、スポーツは相手がいて成立するわけですし、皆で一緒になって魅力的なコンテンツにしていくべきもの。昨年のセ・パ公式戦の観客総動員数(約2659万人)は史上最高でしたが、コロナ禍を経てスポーツや音楽などを含むライブエンターテインメントが見直され、生活者の方々に気づきがあったのでしょう。
それと、コロナ禍では試合数や球場への入場者数が制限された一方、動画の再生回数が伸びました。デバイスで試合やその関連動画を視聴する習慣がよりいっそう強まったと感じています」(新井氏)
PLMは「6球団でまとまったらよいこと」「1球団ではできないこと」を考え方の軸としてリーグビジネスを推進。その背景にはリーグビジネスを推進することで大きく成長したMLBの成功事例があったという。
「グラウンドではそれぞれの球団が戦いますが、ビジネスでは球団が組んで一緒にできることもたくさんある。“1球団ではできないことも、6球団で力を合わせればできる”ということです」(新井氏)
YouTubeチャンネルでファン層を拡大
2014年に開設された「パーソル パ・リーグTV 公式YouTubeチャンネル(以下YouTubeチャンネル)」は、スポーツのチームやリーグなどが運営する公式YouTubeチャンネルとして、日本で初めてチャンネル登録者数100万人を突破(2025年4月時点/147万人)。
開設当初は主に試合のダイジェストを投稿していたが、2019年頃からは好プレーや珍プレー、またプレー以外の動画などを独自の切り口で投稿。思わず目にとめてしまうインパクト抜群のサムネイル、手軽に視聴できる切り抜きの短尺動画、プロ野球ファン以外でも楽しめる内容などが功を奏し、ファン層を拡大している。

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