「セ・リーグに対抗する意識はありません」6球団で力を合わせた施策でファンを拡大、パ・リーグ人気の立役者「パテレ」。運営会社の"戦略"の実態

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「元々『パーソル パ・リーグTV(以下パ・リーグTV)』の中で切り抜き動画を公開していたのですが、その動画をYouTubeチャンネル向けに再編集して投稿し始めたのがきっかけです。YouTubeを運営するグーグル合同会社から反響のあるサムネイルの傾向などをアドバイスしてもらったり、動画に寄せられる視聴者の方々からのコメントを参考にするなど、試行錯誤を繰り返しながら今の形にたどり着いています」(新井氏) 

パ・リーグTVは有料会員が試合を視聴できるプラットフォームである一方、YouTubeチャンネルは無料。プレーはもちろん、それ以外にも野球の観方はさまざまという考えのもと、無料で視聴できるコンテンツでファンを広げていこうという意図もあったという。 

独自の着眼点が“パテレらしさ”として浸透

動画のタイトルには「【ギータ速報】本日『最高に意味不明な本塁打』オブ・ザ・イヤーが決定しました」や「一触即発からの内紛勃発?大田泰示が急にオラついたワケ」などユニークな切り口が多く、プロ野球ファン以外でも気になる。 

「球団の立場ではなかなか言えないような表現もしていますし、けっこうギリギリを攻めています(笑)。ただ、球団や選手からクレームなどが来たことはありません。逆に『(自分を)取り上げてくれないんですか?』と言っていただいたり(笑)、総じて好意的に受け止めてくれているのかなと。パテレが選手の皆さんからだいぶ認知されるポジションになってきた実感があります。 

試合後のヒーローインタビューの際に『パテレさんお願いします!』と“(動画の制作を)発注”してくれた選手もいましたしね(笑)。あと、昨年から『パーソル パ・リーグTV パテレアワード(以下パテレアワード)』というリアルイベントを始めたのですが、ご出演いただいた選手の皆さんはとても協力的で、『また来年選ばれるように頑張ります』と言ってくれていた選手もいました」(新井氏)  

ホームランやタイムリー、三振など、注目のシーンをさまざまなアングルから見られる、パテレならではの編集も人気の理由。 

「球場に設置しているカメラを管理しているわけではありませんが、球場で撮影した素材を元にした映像制作を弊社が受けています。メインは試合中継の映像なのですが、プラスアルファでマルチアングルの映像を使用できる、というのが私たちだけの強みです」(新井氏) 

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