「セ・リーグに対抗する意識はありません」6球団で力を合わせた施策でファンを拡大、パ・リーグ人気の立役者「パテレ」。運営会社の"戦略"の実態
試合のダイジェストは他のメディアでも視聴できるが、例えば1本のホームランをマルチアングルで存分に堪能できるのはパテレならでは。時にはベンチの中にいる選手の様子をクローズアップするなど、独自の着眼点が“パテレらしさ”としてプロ野球ファンの間で浸透している。
昨年初開催されたパテレアワードは大盛況
また、“パテレらしい動画”を選出して表彰するイベントが「パテレアワード」。パ・リーグTV初のリアルイベントとして2024年に初開催されたが、どんな意図があったのだろうか。
「プロ野球ファンは、シーズンが終わってしまうと野球ロスになって『めちゃくちゃ寂しい』とよく言いますよね。11月は各球団がファン感謝イベントを開催したり、ベストナインやゴールデン・グラブ賞の表彰など話題があるのですが、そういえば12月にはファンの方々に向けたイベントがないなと。

弊社は「6球団でまとまったらよいこと」「1球団ではできないこと」を考え方の軸にしていますし、6球団の注目選手が集まったファン感謝イベントができれば面白いんじゃないかと。ただ、選手たちは1月に自主トレに入りますし、実質1カ月くらい(12月)しかオフがありません。
その貴重な時期に参加のお声がけをするのは申し訳ないなと思いながらも、シーズンオフにパ・リーグのスター選手が集まるリアルイベントがあってもいいんじゃないかという意見があった中、ファンの方も楽しんで視聴してくださっているパ・リーグTVというブランドの名前とコンテンツで実施することがスムーズではないかという考えから始まりました」(新井氏)
初の試みとなったパテレアワードは大盛況。イベントの応募者数は想定を大きく上回ったという。
「どのくらいの方に来ていただけるのか手探りでしたが、まず会場に合わせて600名程度(会場:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場)を募集しました。告知はパ・リーグTVの有料会員の方々にまずご案内し、その後に一般の方々にご案内する段取りを考えていたのですが、有料会員の方々だけで完売してしまったんです。応募期間も4~ 5日と短かったにもかかわらず、想定以上の方に応募いただきました。今年はもっと大きな会場で開催することも考えています」(新井氏)
6球団が一体となって取り組む姿勢でプロ野球ファン拡大に貢献しているPLM。【後編】「スタッフはシフト制」「球団ごとに動画制作の担当がいるわけではない」…。パ・リーグ人気に火をつけた「パテレ」。切り抜き動画の制作の裏側 では、動画制作の体制や社風、インターネット動画配信以外の事業などについて聞いている。
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