「とんかつ市場」活況の裏に"味"の変化…? とんかつの「松のや」劇的スピードで爆増の舞台裏

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松屋はもともと牛めしの専門店だが、創業当時からカレーや定食など、メニューのバリエーションが豊富だった。

マイカリー食堂という専門店があるのに、松屋、松のや、それぞれが独自のカレーをメニューに揃えるなど、本業にとらわれないメニュー開発は同社のDNAと言えるだろう。

ブランドを超えた派生メニューも

ブランドを超えた派生メニューもある。例えば松のやの「うまトマロースかつ」は松屋で人気の「うまトマハンバーグ」のアレンジだ。ニンニクがきいてガツンと濃いトマトソースは、とんかつ、さらにご飯との相性も抜群に良い。

うまトマロースかつ定食
松屋メニューから派生したうまトマロースかつ定食(980円)。一見洋風だが、ご飯ととても合う(撮影:今祥雄)

新メニュー発売の頻度の高さからも、客に伝える価値として、メニューのバリエーションを重視していることがわかる。

トッピングやソース
とんかつ、牛めし、カレーに合わせて、さまざまなトッピングやソースが並ぶ(撮影:今祥雄)

このように、専門店ながら、意欲的に新しいメニューに挑戦してきたノウハウが、複数業態の運営においても役立っているのではないだろうか。

今後の抱負を久保氏に聞いたところ、次のような答えが返ってきた。

「店舗数は業界N0.1だが、それで満足するのではなく、価値ある商品を提供し続けていくことが目標」

「価値」の中身を聞いたところ、ブレのない安定した品質、来店動機になる豊富な品揃えなどにより「お客様に満足いただけること」という。

ただ、将来的に人手不足が予想される中、オペレーションの課題はさらに重要度を増していくだろう。併設店として価値を提供し続けていくためには、さらなる進化が必要になるのかもしれない。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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