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「とんかつ市場」活況の裏に"味"の変化…? とんかつの「松のや」劇的スピードで爆増の舞台裏

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併設店のデメリットについて、久保氏は次のように話す。

「いかに従業員の負担が増えないようにするか、が常に課題。例えばメニューの数、厨房の設計、食材管理の方法などを最適化していく必要がある」

3つのブランドが複合した明大前店(撮影:今祥雄)

さらに1ブランドにつき、3〜4週間ごと、多いときは毎週という頻度で新メニューを発売するので、オペレーションはもっと複雑になる。スムーズな店舗運営が常に課題になっているのも頷ける。

3ブランドが複合した店舗も

その対策の一つとして、松のやではDXも進めている。

3つのブランドが複合した明大前店では、注文用と精算用、それぞれ専用の機器が設置されていた。注文と同時に清算できるものが普通だが、同店のようにメニュー数が多い店舗では、機器の前に人が滞留してしまうのだそうだ。

手前のパネルでまず注文し、奥の機器で精算を済ませる(撮影:今祥雄)
注文と同時に精算できるものが普通だが、この店では注文と精算は別々になっている(撮影:今祥雄)

また注文が入ると即時、厨房に伝わるので注文の間違いなどが起こることもなく、スムーズに調理を進めることができる。料理の出来上がりを客に伝えるデジタルパネルでは、注文した料理の出来上がり時間の目安も表示されるので、客はイライラせずに待つことができる。

客席のデジタルパネルでは注文品の出来上がりだけでなく、待ち時間も知ることができる(撮影:今祥雄)

例えば今回、筆者が注文した3つの商品のうち、とんかつを使ったものに関しては「ちょっと出来上がりが遅いのではないか」と感じないでもなかった。しかし、「あと5分」などと表示されることで、それだけの時間がかかるのだと納得しながら待つことができた。そもそもとんかつは注文してから揚げているので、ある程度の時間がかかるのは当然なのだ。

このようなDXは対・客へのサービスとしてだけでなく、スタッフが安心して業務に従事する上でも効果があるだろう。

そしてオペレーションの複雑さがありながらも、松のやが併設店を継続できる理由として、松屋フーズホールディングスという企業の体質が挙げられるのではないだろうか。

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【松屋の凄み】

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