「人生100年時代」の喪失感と向き合う。60代男性の「薄毛・中高年太りでおしゃれが楽しめない」の悩みに精神科医・和田秀樹氏の処方箋は?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

年齢を重ねたからこそ出る深みや優雅さに目を向けていくと、新しいおしゃれに挑戦したくなるはずです。

おしゃれは心の若さを保つ大切な要素です。ぜひ挑戦する気持ちを持ち続けてほしいですね。

質問)新しい美容室に行く勇気がない

長年通っていた床屋さんが引退してしまいました。くせ毛で扱いにくい髪質なうえ、最近は頭頂部が薄くなり、新しいおしゃれな美容室に行くのは気後れします。これまでオーダーも「お任せ」でやってもらっていたこともあり、面倒くさくなって先延ばしにしていたら、余計に行きづらくなってしまいました。
適当に安い店ですまそうかとも思いますが、どうせ新しい店に行くのなら、いままでとは違う雰囲気のしゃれた店舗に行きたい気持ちもあります。(60代後半・男性)

心身ともに若返るチャンス

私も1カ月半に1回くらいは、馴染みの美容室に通っています。そこそこ長年の付き合いになるので、余計な説明も気づかいも要らないですし、なにより安心感があります。

しかし、いなくなってしまったなら仕方がない。

喪失感の壁-きもち次第で何があっても大丈夫 (中公新書ラクレ 854)
『喪失感の壁-きもち次第で何があっても大丈夫』(中公新書ラクレ)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

年齢を重ねてもおしゃれでいることは、自己肯定感や心の豊かさを保つために非常に重要です。美容師さんとの新しい出会いも、自分磨きの一環として捉え、ポジティブに取り組んでいきたいところです。

オーダーの説明が面倒とのことですが、気に入っているときの自分の写真はありませんか? できれば美容師さんが辞める前に、左右、後ろからも撮っておいてもらうといいですが、それが難しければ、比較的最近の写真ならなんでもいいのではないでしょうか。

写真を見せて「こういう感じで」と言えば、雰囲気を捉えつつ、いまの自分に合ったテイストに整えてくれるはずです。

思い切って、どういうスタイルがいいか相談してみてもいいと思います。

美容師さんは、要望を聞き、個性を引き出すための最適なスタイルを提供してくれるプロフェッショナルなのですから。そうして新しいスタイルに挑戦することで、見た目の変化だけでなく、心の若さも維持できます。むしろ、心身ともに若返るチャンスかもしれません。

病院と同じで、何軒かまわって、自分に合うところを見つけられるといいですね。

和田 秀樹 精神科医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事