ブッダは「最強コンサル」、空海は「天才経営者」。歴史を変えた2人が実践した「巨大スポンサー」獲得の驚くべき手法

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仏像
ブッダと空海を起業家に例えたら⁉ 世界的宗教家の「営業戦略」と「資金調達術」について解説します※画像はイメージです(写真:熊澤充/PIXTA)
「宗教」と聞くと、清貧や無欲といった言葉を思い浮かべるかもしれない。しかし、歴史を動かすほどの巨大な組織をゼロから創り上げた「教祖」たちは、その実、極めて現実的な「カネ(資金調達)」と「ヒト(支援者獲得)」の問題をクリアした、稀代の「起業家」だった。
いかに革新的な思想でも、活動資金がなければ歴史の片隅に消える。尾登雄平氏の新著『教祖の履歴書』で取り上げた世界的宗教家たちは、この「営業」と「資金調達」においても、常人離れした才能を発揮していた。
今回は、同書から一部抜粋・再編集のうえ、ブッダと空海という2人の天才が、いかにして「有力パトロン」や「国家権力」という巨大なスポンサーを動かしたのか、その具体的な戦略を解説する。

ブッダ(仏教):「無形価値」を「有形資産」に変えた営業術

教祖の履歴書: もしも世界的教祖を起業家にたとえたら
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仏教の創業者ブッダ(釈迦)は、シャカ国の王子という、大企業の御曹司のような約束されたキャリアを持っていました。しかし彼は、城の外で老人、病人、死者に遭遇して衝撃を受け、「生・老・病・死」という人間が避けられない根源的な悩みに苦しみます。

「なぜ人生はつらいのか、どうすれば苦しみから逃れられるのか」

当時のインドで多くの人が苦しんでいた「お悩み」を解決するため、彼は29歳で妻子や地位、全てを捨てて出家します。修行の末、35歳で悟りを開き、苦しみを解決するための極めてロジカルなフレームワーク「四諦(したい)」と「八正道(はっしょうどう)」を発見します。

まさに、自らの強烈な原体験(悩み)をもとに、誰もが抱える課題(人生の苦悩)に対する画期的な解決メソッド(悟り)を開発した、「お悩み解決コンサルタント」の誕生でした。

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