「戦後70年」をテレビはどのように伝えたのか 従来の終戦企画とは一線を画す作品が続々

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戦後70年を民放テレビはどのように報じたのか。アンケートで振り返る(写真:Wellphoto / PIXTA)

戦後70年で民放テレビは何を伝えたのか。GALAC編集部は全国の民放テレビ局139局にアンケート票を送付し、今年各局が行う“戦後70年”の番組や企画等を聞いた。

返答があったのは112局。20回以上も放送を重ねた地方局がある一方で、1、2回しか放送しない局もある。民放全体で見ると、静岡、長野、広島、長崎などで放送回数が多い傾向が見られた。ジャンルではニュース特集やドキュメンタリーなど報道が圧倒的に多く、ドラマは東京キー局で2本、バラエティは大阪準キー局で1本あっただけだった。アンケートからはいくつか顕著な傾向が浮かび上がってきた。

企画意図の最多は「戦争の記憶を風化させない」

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各局の特番・特集の企画意図について複数回答可で質問したところ全224番組中、「戦争の記憶を風化させない」が211番組で最も多く、全国的な共通認識であることがわかる。続いて「戦争の悲惨さを伝える」「地域の戦争体験を記録する」と続く。総じて「被害者としての描き方」が圧倒的に多数だったと言える。

一方で企画意図を地域ごとに番組数の割合に応じて読み直してみると、東京地区は「地域の戦争体験を記録する」が全国で一番低い。「地域」よりも全国放送を意識するせいだろうか。

「加害責任を考える」という意図を持つ番組は、合計9とわずかだった。中部北陸や近畿など、加害責任を伝えたテレビ局が皆無の地区も目立つ。東京、重慶、ドレスデンという無差別空襲の犠牲者が多かった都市を取材したTBSテレビ「報道特集『歴史とどう向き合うか 被害と加害の狭間で…』」やテレビ朝日の「池上彰のニュースそうだったのか!! 戦後70年 日本を考える2時間SP」、南京での住民虐殺についての証言を集めた日本テレビの「NNNドキュメント『南京事件 兵士たちの遺言』」など、全体から見ればわずかな数にとどまり、地方では少ない。

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