「戦後70年」をテレビはどのように伝えたのか

従来の終戦企画とは一線を画す作品が続々

どの「時期」を扱う放送だったかの質問では、「戦前〜戦争中について」「戦後〜現在の『戦後の歩み』について」とが全国平均で拮抗した。

北海道・東北、中部・北陸で「戦前・戦中」が多く、九州・沖縄では「戦後」が多い傾向だった。沖縄のテレビ番組が「戦後の歩み」にも着目する傾向が強いせいと思われる。

従来の終戦企画とは一線を画す

自由記述欄のコメントでは、戦後70年で従来の終戦企画とは一線を画す放送に取り組んだという回答が地方局に多かった。

「これまで県民にあまり知られていない戦争秘話を掘り起こし、これらを中心とした特集を放送。取材するのは若手記者。初めて聞くであろう生の戦争体験、戦争の記憶をどう伝えていくべきか、考えてもらう契機にもしたいと思いました。若手記者の目線で描く戦争、若手記者が取材し、若手記者が語りかける構成」(東日本放送)

「今後、体験者は確実に減っていき、一次証言を得ることは難しくなっていく。そのなかで若い記者やディレクターの新しい視点をどう拾い上げていくかは課題」(信越放送)

「埋もれた記録、証言の掘り起こしにつながっている。若手記者が取材を通じて認識を深めている」(長野朝日放送)

「戦争体験を若い人たちにもつないでいくという狙いで、女子高校生を取材者として起用し、戦争に関する知識を深める姿を描く回も放送しています。取材をすすめていくと戦争体験者が少なくなっているだけでなく、取材する側も若い記者が増え、親が戦争経験者である私たちの世代とは違った、若い世代の戦争観が新鮮に映ることも」(静岡放送)

「戦後70年、戦争体験者が減り、戦争を知らない、ましてや身近な大人でさえも戦争を知らないという世代の方が圧倒的に多くなった。深夜帯のメイン視聴者である若い世代にどう伝えたらいいのか、最も頭を悩ませた」(静岡第一テレビ)

「番組の女性キャスター鈴木しおりが、先の戦争が日本に遺したものを訪ね、取材する企画。30代前半の『戦争から遠く離れた』世代の目線を素直に出し、忘れてはならない戦争の記憶を視聴者とともに心に刻む」(名古屋テレビ)

共通して「若手」に取材させることを強く意識している点が特徴的だ。

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