湿布、塗り薬、糖尿病治療薬まで…"年間475億円"の医療費がムダに――高齢者の自宅に眠る「残薬」。実家で見つけたら捨てずにすべきこととは?
1週間分、2週間分の薬を朝、昼、夕、眠前と仕切りでわけて利用する「お薬管理BOX」もある。
軟膏が適切に塗れていない場合の指導も大切だ。
「例えば、チューブに入った軟膏を手のひら2枚分の面積に塗る量は、大人の指の先端から第1関節までの長さ(約5グラム)が目安と決まっています。これを『フィンガーチップユニット』と呼びますが、ただ薬を渡すだけでなく、こうした塗り方も含めて患者に教えるのも薬剤師の重要な仕事です」(小黒さん)
実家で「残薬」を見つけたら?
冒頭のSNSのコメントにあったように「実家に帰ったら薬が山積みだった」場合、家族はどうすればいいだろう。
小黒さんが勧めるのは、主治医のいる医療機関や、薬局の薬剤師に相談すること。その際、残薬をまとめて持参する、残薬を写真に撮るなどするとなおよいそうだ。なぜ余ったのかの理由が不明でも構わない。
「相談先は薬の袋に書いてある薬局でいい。『お薬が余っています』と連絡してください。これまでの経験では、患者さん本人が残薬を持参するケースはほとんどないので、ご家族が持ってきたり、教えてくれたりすると助かります。もし複数の薬局を利用しているようなら、この際、1つの薬局をかかりつけ薬局にするなど、交通整理しておくといい」(小黒さん)
かかりつけ薬剤師の見つけ方について、小黒さんは「だいすきな薬剤師」という標語を作り、講演などで説いている。
「い」つでも相談できて
「す」ぐに対応してくれて
必要があれば家にも「き」てくれる
「残薬を機に相談できる薬剤師をぜひ見つけてほしい。薬剤師側も薬を渡して説明するだけでなく、薬のことを何でも相談できる存在なのだということをもっと知ってもらうよう、意識的に患者と関わっていくことが必要。体調が悪いとき、病を患ったときにお世話になる大事な薬だからこそ、うまく活用してもらいたい」と小黒さんは話す。
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