湿布、塗り薬、糖尿病治療薬まで…"年間475億円"の医療費がムダに――高齢者の自宅に眠る「残薬」。実家で見つけたら捨てずにすべきこととは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
地層のように重なった湿布薬。「めぐみ在宅クリニック」院長の小澤竹俊さんがSNSに投稿した(写真:小澤さんのFacebookから)
大量に保管されていた塗り薬(写真:小澤さんのFacebookから)※一部加工しています

投稿を目にした人からは、

「実家がまさしくこれ。2人分の湿布と塗り薬の山です。もらってきた袋から出してすらないものもたくさんあります」

「義父が亡くなったあと、片付けに行ったら薬が山のように出てきました」

といった声が寄せられ、薬剤師からの「残薬がある患者さんに『お薬がもったいないので調整お願いします』とお伝えしたら、『薬代は安いから別にしなくていいわよ』と言われました」といったコメントもあった。

改善されない残薬問題

小澤さんに話を聞くと、この患者の薬は服薬指導を担当する訪問薬剤師が整理し、期限切れのものは処分、残っていたものを使っていくことにするなどして調整したという。

「訪問診療が始まったころは『肌が乾燥するから(塗り薬を)もっとほしい』と言っていましたが、私が主治医になってからは、『これからは毎回診察して、ちょうどいい量の薬をお渡ししますね』とお伝えし、薬がなくなるまでは新たに処方しないことを了承してもらいました」(小澤さん)

次ページ「残薬」が改善されない理由とは…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事