全自動トイレに介護用品・・・猫ファーストのケア製品の進化 「猫に"なりきり"商品開発」代表の本気がすごい会社

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営業担当の若林昇一郎氏によると「返品率は100台に1〜2台」とのことだ。一般的には多いのかもしれないが、予想していたより少ない。

筆者は、全自動トイレは猫にとって使いにくいだろう、という印象を抱いていた。ネットで全自動トイレを検索すると、多くが「周囲を見渡せない」「入り口が狭い、高い」「音がする」など、うちの猫だったら使わないだろう特徴があったからだ。

一方、入り口が高いと感じた点については、同社では別売りのステップを使って入り口の高さを調整することも可能だという。

(写真:オーエフティー)

また同社で返品率がそれほど高くない理由は、サポートの手厚さにあるようだ。

「『猫が使わない』という問い合わせがあったら、以前使っていたトイレの砂を少量入れる、はじめは電源を入れないでおくなどのアドバイスをする。使うまでに時間がかかる猫もいて、飼い主が途中で諦める場合もある。あとは、部屋に置いてみると思ったより大きかった、という理由での返品もある」

全自動トイレはいろいろなメーカーが出しているが・・・

工業用機械の輸入販売を行っていた同社がペット関連事業専門になったのが2005年。2010年代終わりから全自動トイレを扱うようになり、ここ数年は高級猫砂も含めたトイレ周りの商品に集中的に取り組んでいるそうだ。

若林氏によれば、全自動トイレはもともとアメリカの会社がパイオニアで、すぐにほかの国でも作られるようになった。同社では最大7社の商品を扱っていたが、現在はキャットリンクの代理店として、1社のみに絞っている。キャットリンクは中国の会社で、日本で出回っているほかの全自動トイレも同様に中国製品が多いという。

「比較する中で、修理のしやすさやサポート体制が優れていたから。全自動トイレの認知は3年ぐらい前から広まってきて、多くの機種が発売されている。ただ市場にばらまいている企業もあり、販売店によって対応が異なるなどの弊害が生まれている。価格競争も厳しくなっている。当社はサポートをしっかりやってくれる会社を選定して扱うべきという方針で、キャットリンクのみの取り扱いを始めた」(若林氏)

(写真:オーエフティー)

同製品はアメリカ、韓国、タイなど世界で65万台売れており、ユーザーからのフィードバックを受けて改善を加えてきた結果、手入れがしやすくなり、壊れにくくなったという。

耐用年数は平均3年、丁寧に使えば5年。多頭飼いの場合は傷みやすく、耐用年数が短くなるという。機械なので、長く使っていると部品が壊れることも。壊れた場合は、まずはユーザーに部品を送り、自分で修理してもらう。難しければ引き取り、国内の提携工場で修理する。型替えなどにより部品がない場合は買い替えで値引きするなど柔軟に対応しているそうだ。

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